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FIPA(フィパ)は、毎年1月下旬、フランス・ビアリッツ市で開催される、国際テレビ映像フェスティヴァル。
1987年創立、2012年で25回を迎える。

内容は、テレビ映像を中心とし、プログラムには硬質なものが多く、所謂、娯楽としてのテレビ映像よりも、知的関心や社会的関心を揺り動かす映像に重点を置いている。又、テレビ局制作の劇映画、独立プロのドキュメンタリーも多く出品される。

2010年の参加国は72カ国、エントリー総数は1580本、登録参加者約2000名の規模で、世界のテレビ映像フェスティヴァルでもトップクラスである。今や、ヨーロッパ一のテレビ映像フェスティヴァルとされている。

審査部門は、劇映画、連続ドラマ、紀行的ドキュメンタリー、社会的ルポルタージュ、音楽・スペクタクルの5部門から構成される。各部門は、其々5名の審査委員からなり、金賞、銀賞が授与される。

応募はヨーロッパから、地元フランス、イギリス、オランダ、イタリア、ドイツ、ベルギー、スペイン、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン。アメリカ大陸からは、カナダ、アメリカ、メキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン。アジアからは、日本、中国。アフリカからは、アルジェリア、モザンビーク、等のテレビ局や独立プロダクションが参加。

カンヌ映画祭監督週間で、グランプリ授与の本選とは一味違う、監督中心の作家主義を貫き、68年5月革命後、フランス映画監督協会の推挙を受け、1969年から30年間総代表を務めた、ピエール=アンリ・ドゥロが、20年前にカンヌと併行して創立したのがFIPA。作家主義の主張はFIPAにも受け継がれている。そして、1999年より、現代のテレビ映像の重要性に注目し続けた彼は、カンヌを辞し、2009年までFIPAの総代表を務める。2010年からは新任のテレサ・カビナがアート・ディレクターに就任。

カンヌ映画祭監督週間以来の右腕である、ジャン=ミッシェル・オセーユが事務局長を務めている。彼はドゥロ前総代表の引退後も引続き現職に留まる。開催地は、1987〜1997がカンヌ、1998年以降ビアリッツ。

カンヌから14年前に大西洋岸、スペイン国境、フランス・バスク地方のビアリッツに開催地を移した。気候温暖、スポーツウェアーで有名なラコステのゴルフ・クラブもあるこの地は、ナポレオン三世以来の格式の高さを誇る、保養地で、1月からサーフィン等が出来る、マリン・スポーツのメッカでもある。

古く落ち着いた街並と海岸、カジノ、真冬でも時に汗をかく程の温暖な気候、カンヌを始めとするコート・ダジュールの喧騒と異なり、物価も安く、豪華ホテルも揃うビアリッツは、町を挙げての誘致運動で、FIPAをカンヌから呼び込んだ。

FIPAは、CNC(フランス国立映画センター)、SACD(著作権協会)、プロシレップ(プロデューサー権利連盟)、 アルテ(仏独国営教養番組専門テレビ局)等の後援を得ている。

日本では未だ知名度が低いが、2010年は19本のエントリーがあり、2本がノミネート(本選選出)された。

他に、選抜性見本市として、FIPATEL(フィパテル)(232本選出)が同時開催され、ヨーロッパの主要テレビ局から買付部門担当者が数多く訪れている。



中川洋吉

FIPA日本駐在員